受賞理由

　本論文は、災害復興時の住宅再建に向けての二つの方法、自力再建と公的住宅整備（災害復興公営住宅）に着目して、生活やコミュニティの実態、住宅再建支援等について長期にわたる継続的な調査を行い、複雑な数値解析に頼ることなく分かりやすい分析手法で住宅復興の時間的なプロセスを示し、被災場所での住宅再建がコミュニティ維持や生活安定の観点から極めて重要であることを明快に示している。また、研究グループが培ってきた被災地での信頼が、継続的な調査の実施を可能にしたと考えられ、この点も高く評価したい。本研究で得られた貴重な研究成果は、十分に都市住宅学会賞に値するものである。

（2007年度都市住宅学会賞審査選考経過報告（社団法人都市住宅学会学会賞委員会）より）