戻る

第61回MURオープンゼミナール
日 時 2003年4月26日(土曜日) 13:30~
内 容 最近の防犯環境設計の取り組みについて 室崎
+村上(京都府大)卒論
場 所 神戸大学工学部3号館125室(参加24名)
最近の防犯環境設計の取り組みについて    室崎益輝
~山本俊哉氏の日経アーキテクチュアの連載にふれて~

<報告>
●はじめに
 日本においても、防犯環境設計の取り組みが、この2~3年積極的に展開されるようになった。その環境防犯の取り組みをどう評価すればいいのだろうか?
●なぜ、防犯環境設計なのか?
(1)犯罪の激化
 なぜ犯罪が増えているか
 バブルの崩壊と経済不況/
 少子高齢化と空き家増加/
 地域密着コミュニティの崩壊/
  (池田小学校事件など)
(2)設計の破綻
 効率性あるいは芸術性を過度に優先した環境設計の横行
  (都市再生プロジェクトなど)
   夜間には人気のないオープンスペース、機能分離・用途純化、
   土地の経済性を重んじるばかりに
       → 一番安いはずれに小学校、人通りがない
  → 建築・都市のあり方が問い直されている
●犯罪を抑止する方策は?
(1)要因対象別の考え方
 犯罪者に対する対策/
  厳罰?(効果少ない)
 被害者に対する対策/
  おそわれないように
 機会環境に対する対策/
  犯罪者と被害者を結びつけるもの
  犯罪をしやすい場所についての対策
(2)対策手法別の考え方
 社会的規律による対策/
  モラル・法律
 防犯設備による対策/
  オートロックシステム、モニタリング
  しかし、設備偏重主義となっている
 環境設計による対策/
 どの方策が最も良いかではなく、いろいろ組み合わせていく必要がある
●環境防犯設計論の進化について
ジェイコブス(1960年代)やニューマン(1970年代)
→ポイナーやCPTED(環境デザインによる犯罪防止) 1980年代
→???
  植木の刈り込み、照明の配置 などが対策の大半
   これらで確かに犯罪は減るが・・・・
   → デザインだけでは限界がある。
     環境だけで決まらない
環境設計のもつ有効性と限界性を見極めること
→環境マネージメントとしての環境創造と環境管理のシステムへ
  個別防犯対策から総合防犯設計へ
    (環境論から運動論へ)
    米国の例 NPOによる環境管理+環境設計
●環境防犯設計のポイントについて
(1)設計の戦略
・監視性の確保
・領域性の強化
・接近性の制御
・被災側の防御
(2)設計の視点
・自然的な方法
・包括的な配慮    自然景観との関係
・協働的な取り組み  警察、市民、NPOの協力


防犯まちづくりに関する基礎的研究
~京都市の事例研究を通じて~  京都府大 村上(宗田研究室)

<報告>
京都市内の防犯組織について調査
 京都市中京区のまちづくりの会の定例会でひったくりについて話題
取り組み(防犯に関わる組織)
 警察主導の組織
 NPO法人の組織
犯罪者のとらえ方
 都市計画分野でのとらえ方
 地域での防犯活動でのとらえ方
<議論>
犯罪にあうとき 夜間、広いとおりで 逃げる場所(派出所、コンビニ)
このときに、どのようにしたらよいか
→ だれかに連絡 道に通報ベル? 
   夜中の2時に歩かない
連絡先:神戸大学室崎・北後研究室
     TEL 078-803-6009 または 078-803-6440
MURオープンゼミナールは、広く社会に研究室の活動を公開することを企図して、毎月1回、原則として第1土曜日に開催しているものです。研究室のメンバーが出席するとともに、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、都市や建築の安全に関心のある市民等が参加されています。興味と時間のある方は遠慮なくご参加下さい。


ご案内:2010年度までのアーカイブHPを表示しています。2011年度以降のHPを表示する▶