2003年4月
2003-04-26(土)10:00~12:30 都市安全会議室
参加:室崎、北後、越山、青田、チェ
(1)青田 研究経過報告会
タイトル:海外の地震災害事例から学ぶ、今後の我が国の地震防災におけるNGO/NPOの役割について
→自然科学研究科らしい(工学的な)タイトルに、組み立ても
ノースリッジでのCBOのキャパシティの限界 ← 定量化は?
機能することの限界がどこにあるかが重要 → マイノリティへの対応の可能性
米国、少数のボランティアで多数をコントロール
組織の連携のノウハウがあるのでは
台湾・日本、多数のボランティアで
緻密な調査 → あり方の提示 これに加えて
日本の場合、どのようにするとうまくいくようになるのか
改善の提案の具体性がほしい
米国、教会を中心とする社会+CBO 日本、町内会など
(2)垂水
阪神大震災における神戸市を中心とした住宅復興初期計画の成立過程
個別事業や既存システムが先行する問題点 具体的には?
合意がとれていない都市計画
郊外地に復興住宅 資金投入のバランスの議論の欠如
論点をクリアに
日本に、災害復興の総合的な法律がない点 → 都市復興法の必要性
国、県、市の役割分担 自治体の役割 住民ニーズの反映
住宅チームでの総論的な議論が、後で表にでてきていない?
個別計画が決まっていて、調整がとれない。
それぞれの組織の論理
タイミングの事実は重要
下河辺氏 20年住宅案 との整合性
(3)越山
災害復興公営住宅調査
コミュニティの再建をどう行うかが課題
323団地 476棟を対象に調査
生活復興感指標の定義
日常化、積極的意味付け、否認 へ被災者をグループ化
心のストレスは、積極的意味付けのグループに多い
復興感は、人との出会いがあった場合、近所づきあいのある場合、地域とのつながりがある場合、自宅への訪問者が多い場合、家族の人数が多い場合、に強い。
現在の住宅についての認識と、復興感の関係は強い。
団地コミュニティ(立地条件)と個々人の復興感の関係は必ずしも関係ない。
高齢者率が高いほど、満足感が高い。
論点・質問
団地ごとのコミュニティをはかるには、どのような指標があるか
個々人の復興感と、集団の復興感のつながりは?
→被災地の人々の実態から考えるべき
積極的意味づけをしている人は、どんな人か
→コミュニティの復興感は、この尺度でよいのか
「日常化」の人々が、はたしてよい状況なのか
(4)ジーラ・プーヤン
Urban Vulnerability Assessment: An Instrument for Disaster Preparedness
and Recovery
減災についての対策を行いながら評価を繰り返していくという提案 レベルは質的に設定
2003年5月
5月10日(土)10:00~ 都市安全会議室
参加:室崎、北後、チェ、ジーラ、安野
(1)チェ
防災視点からみたコミュニティ成熟度に関する検証研究
-神戸市防災福祉コミュニティを対象に-
コミュニティと防災の関係 本当に関係があるのか?
どのようなコミュニティならば、被害が少なくなるのか。
長くすんでいる人の比率が高いことの意味は?
→ 参加度が高くなる
→ 学習する人が多い
→ 一人一人の防災能力高まる(防災知識の高い人が多い)
→ 人と人のつながりがある 地域と人の結びつきが強い
→ 助け合ったり協力し合うことができる。
(要因)
コミュニティの強さ
構成員(個人)
・防災、関心、興味
・対策の実施(家具の転倒防止、消火器の配備)
・地域の中に滞在している時間が長い
コミュニティ全体
・人と人のむつび月が強い
・防災のリーダーがいる
・組織が活発に活動している
リーダー
リスクコミュニケーション
住民の認識・意識
地域の資源(防火水槽、・・・)
コミュニティレベルの防災活動の差(阪神・淡路大震災時)
何が影響を与えたか(要因)
(2)ジーラ・プーヤン
Vulnerability Evaluation: Its dimensions and rank
Elderly People
statistical data population senses
other data from city officer
interview to key person community leader
welfare officer, volunteer group
risk communication
workshop style
making community map
disaster preparedness
questionnaire to people age (←difficult)
2003年6月
6月7日(土)10:00~ 都市安全会議室
参加:室崎、北後、チェ、ジーラ
(1)ジーラ・プーヤン 研究経過報告会
Urban Vulnerability Assessment:
An Instrument for Disaster Preparedness and Recovery
Human Loss parameters
↓
Vulnerability Indicators
↓
Adaptability
↓
Responsiveness
↓
Disaster Preparedness Guideline
このアセスメントモデルのオリジナリティは?
→社会的状況を反映するようにした点である。
アダプダビリティ、レスポンシブネスの違いは
→レスポンブシネス(行動など)は、アダプタビリティ(習慣など)の結果である。
全体の概念は理解できるが、それをどのように妥当なものであるかを証明するのか。
→現在考慮中である。神戸灘区、長田区でケーススタディを行う。
過去の経験を取り入れるということはできないのか。
→序論で、関連する社会と被害の関係についてまとめる予定である。
(2)チェ
防災視点からみたコミュニティ成熟度に関する研究
神戸市の校区の主成分分析による分類結果を報告した。
(3)青田
研究題目を、以下に変更した。「海外の地震事例から学ぶ、ヒューマンパワーを取り入れた地震防災システムの向上について」
NGOが被災者を効果的に支援するために必要となる機能について、過去の地震災害の例から次のようにまとめた。
(1)コミュニティ・ベースによるアプローチ
(2)専門性
(3)連携 インド
(4)社会的信用性 台湾
→この4つの関係、構造について、整理し、概念を確立しておく必要がある。
能力 (2)
信頼性 (1)(4)
→この4つ以外に、もっと必要なことがあるのではないか。
→3つの地震の事例について、いろんな切り口から、それぞれ特徴的な点を上げると良い。共通性と特殊性(風土による違い)を明らかとする。
→日本の例も取り上げると良い。たとえば長田のNPO組織
2003年7月
7月12日(土)10:00~ 都市安全会議室(中止)
2003年8月
8月2日(土)10:00~ 都市安全会議室
参加:室崎、北後、越山、チェ、ジーラ、青田、樋口、横山、梅崎
(1)チェ 防災視点からみたコミュニティ成熟度に関する検証研究-その1
コミュニティの成熟とは?
平常時から活発な活動が行われている地域
どのような活動? 防災活動もその一つ
成熟度を高める対策とするのか?
盆踊りなどの活動、コミュニティ度、連帯性 が成熟と関連?
この結果が正しいことの証明は? 外的基準が必要。
以上戸は別に、分析結果から、
大震災でのコミュニティの変化がとらえられている。
地域コミュニティへの影響
地域タイプ別の防災活動のあり方を見ていく?
被害度など、ミクロとの関係を見ていくと良い。
仮説として「成熟度~」からみていく 研究のベテランコース
研究の初心者コース 活発なところの要因はなにかを調べていく
地震によってコミュニティが変わっている。どうしてなのか。
成熟度、地域の歴史との関係 既存コミュニティの好影響
震災復興のやり方、それが、コミュニティを破壊、あるいは育てたのか
これについて、多くの人は知りたいと思っています。
今後の進め方の例
その1 震災の影響で、コミュニティがどのように変容したか
その2 その後の防災活動にどう影響したか
(2)青田 阪神・淡路大震災を契機にしたNGO/NPO活動に関する考察
なぜ、この調査をするか。なぜ、中間支援組織に着目するか。
行政がすべてを担うという考え方からの転換、役割分担を考える。
←行政がやればよいという意見もある。
歴史的な必然性の説明は?
まとめるときの視点、仮説、をしっかり持つこと。
行政システムの欠陥の露呈(震災時)
市民の自発性、やる気を押さえ込んできたことの反省
民主体のシステムと側面援助の組織
以上は、世界の流れ、震災以降の日本の流れ
事後対応から、復旧・復興、予防・福祉へと活動が広がる
新しい、ネットワークのシステムをどのように構築するかが結論となる。
社会学の立場、解釈 現在から過去をみる
それとは違って未来から展望する。
目標のためにどう進むべきかを提案すべき。
阪神高齢者支援ネットワーク(黒田さん主催)も対象に。
コーディネートだけでは・・・
現場を持っているNPOが重要
2003年9月
2003年10月
2003年10月11日 10:00~ 都市安全研究センター2階会議室
出席者 室崎、北後、青田、チェ
(1)青田 インド・台湾・米国・神戸の防災NGO/NPOの比較
防災NGO/NPOの機能、特色
地域密着性
専門性
コーディネイト性
社会的信用性(信頼関係)
市民の捉えかたがせまい
→ 証拠があるのか? 主観的
事実関係をおさえる必要がある。
研究は限られているので、事実としてわかったことから提言する必要がある。
阪神・淡路大震災を契機に被災者支援活動を展開したNGO/NPOに関する考察
神戸の事例分析
NGO/NPOの組織のみの研究ではなく、
復興、復旧にどれだけ貢献したかが重要
その中から、日本の教訓が引き出せるのでは?
日本独自のいい点は何か、を見る必要がある。
財政支援がないなかで、よくやっているなど
制度、システムの問題としてみる必要がある
(やる気の問題とすると、それ以上すすまない)
CS神戸、まち・コミ、まちづくり支援ネット
などが新しい特徴があるのでは?
既成のコミュニティ組織との連携
→ CBOの役割?
日本の場合、インドに近い?
暮らし全体の問題がある
事前対応型 事後対応型 生活支援型 ?
(2)チェ 防災福祉コミュニティ調査の項目
最終的な研究の目的は?
成熟したコミュニティのあり方、持続可能な
これを客観的にはかる
成熟した、持続可能な とは? これが防災とどのように関連しているか?これが決まっていないとコミュニティの何を分析したらよいか見えてこない。コミュニティをどのように作り変えると、安全なまちになるのか? 災害に強いコミュニティの条件はなにか、ということになる。宮城県沖地震が発生したところでは、自主防災組織はなかったが、よく対応できていた。コミュニティの防災力はなにではかるか?
地域のつながり、住民の意識、住環境、住民の組織
今回は、後ろの2つにしぼる。結成パターンによって、活発さに差がでているのではないか。既存の組織をベースにしたものが活発。
←看板だけをつけかえて、防災については熱心ではないのではないか。それとも、防災部門を既存組織につくるとよいということになるのか。
市民との結びつきの問題
担い手の問題
静岡の組織 活発 訓練の方法 図上戦闘
地域総合訓練 元清水市20万中 7万人参加
清水市は自治会母体ではない。危機意識がもと?
神戸の場合、活発なところと、そうでないところの違いの要因はなにかを見つけることは、重要。
要因 リーダー 結成のきっかけ 訓練の内容
担い手 どのように市民を巻き込むか
結果 耐震補強 家具の転倒防止 災害への備え
地震保険加入率 マップの中身・活用 (活発さ)
防災マニュアル、防災マップ
コミュニティと安全マップ についてしぼることもありえる。
2003年11月
2003年12月
2003年12月6日 10:00~ 都市安全研究センター2階会議室
出席者 室崎、北後、青田、チェ、ジーラ、ベニヤ
(1)青田 阪神大震災のNGO/NPO
<発表>
被災地で活動する主なNGO/NPOの活動紹介
地域コミュニティの脆弱性
新たな担い手としてのNGO/NPO
災害発生
↓
災害救援
↓
災害復旧
↓
災害復興
↓
災害軽減(現段階) 教訓の発信性、インキュベーション性
↓
災害予防のNGO/NPO?
→ 防災NGO/NPOによる中間支援組織の必要性
<議論>
なぜ、日本で中間支援組織が根付かない?
行政の権限委譲←→関与
企業との結びつきの弱さ
NGO/NPOでもなく、行政でもなく・・・
NGO/NPOの活躍分野の例(こまやかにできる)
例えば駐車違反の取り締まり
公営住宅の管理
保健所の仕事
防災の分野でも 耐震補強、・・・、防災教育、・・・
アメリカ、インドは行政がほとんど何もしない。
日本 行政とのつながりだけ 行政の下請けになってしまう
行政にとっては、よいNGO よくないNGO
多くの無関心な市民の存在
行政への依存・行政が何でもやってしまう
→ 無関心を行政が作り出しているのではないか。
なぜ、教訓の発信性、インキュベーション性が阪神の時、出現したか。
(NPOの人、教育熱心)
日本の後進性?
地域社会の民主化の過程か? 経験を伝える
(2)チェ
A Study on the Relation between the Role of "Shobodan" and Local Community in Japan
<発表>
神戸市の防災福祉コミュニティのリーダーに対する調査
消防団の背景
地震前後の役割の変化 コミュニティとの関係
次回は、2004年1月17日(土)10:00~
2004年1月
2004年2月
2004年3月
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